◆概況

代表的な士業の一つである税理士業も資格があれば安泰というわけではない状態に年々なってきていると思われる。会計ソフトの進化から、小規模事業者であれば決算書の作成や税務申告は個人でやろうと思えばできる時代になってきたことが影響の一つと考えられる。ただ単に決算書の作成と税務申告だけをやっているだけとか、営業力が無いとか、特別な業務の付加価値が無い税理士や税理士事務所はさらに淘汰されていくと想定される。
しかし税理士の業務は決算と税務申告だけではなく、他にも経営に関する会計的な側面からの助言、節税対策、そして調査が入った際に税務署側と交渉など付加価値をクライアントに感じてもらえるポイントはまだまだあると推測された。
自社の強みを明確にし、独自性を打ち出すことができれば、新たな顧客をまだまだ掘り起こすことは可能であると見る。

◆ある税理士事務所の対策

,一般的な税理士の業務の存在を理解した上で、この事務所の業務を分解した。分解した上でメイン業務となりうる業務をHPのトップページに分かりやすく配置した。

,1に関連するが、一般の方が理解しにくい会計業務と税務業務を別々に分けて説明するようにした。あくまで会計業務は会計業務、税務業務は税務業務という風に区分され、それぞれの意味合いが分かりやすく伝わるように注意した。

,相続関連の業務を年間かなりの数を行っていることが分かった。相続業務は全ての税理士事務所が得意なわけではないので、早い段階でホームページを見ている人にアピールできるように比較的前の方にコンテンツを配置した。

,税理士というとお堅いイメージがあるが、トップの人柄が人間味に溢れていたので、敢えてお堅いHPではなく、スタッフのイラストを起こしてデザインとして利用し、税理士事務所らしくない面白おかしいポップな雰囲気のデザインを採用した。

,事務所のあるエリアを地名として、「税理士 ”地名”」「税務 相談 ”地名”」「相続 ”地名”」を軸にSEO対策を実施。

◆展望

結果個性的なデザインのHPになりましたが、税理士事務所特有の堅苦しい感じはなく、初見の人も入りやすい感じになったと思います。書いてあるコンテンツの内容はしっかりしているので、複数ページ内容を読んでいけば必然的に問い合わせに向かいやすく作ってあるのもポイントです。長年経営を行っており、会計知識が豊富な経営者にはコンテンツの内容的に物足りない可能性が否めませんが、新規で波長の合う税理士を探している方々には時代に関係なく一定量炸裂することと思います。

◆必要なもの

●ホームページのリニューアル
●スタッフのイラスト
●SEO対策
●グーグルマイビジネス(グーグルマップ)対策

◆利用可能な補助金

●事業再構築補助金
●小規模事業者持続化補助金
●ものづくり補助金
●IT補助金

◆総論

非常に一般的な税理士事務所らしくない、いい意味でふざけたHPのような気がしますが、ここ一番の業務はしっかりしているけど、普段からお堅くて柔軟性に欠けるのは困るというクライアントも多いことと思いますので、振り切ったブランディングを行いましたが、結果ウケは非常に良かったようです。こちらの税理士事務所の所長さんは競走馬も保有しており、その情報をツイッターで流しています。真剣に業務はしているけど、人生も謳歌している姿勢が素晴らしいと思います。人によってはこういうのは好きではないと思う方もいらっしゃることと思いますが、波長が合わない人とマッチングさせる必要はむしろ無いし、逆にそういう遊び心もある上で、税務や会計業務に寄り添ってくれる税理士事務所を探している人にはベストマッチなブランドイメージが組めたと思います。これからも一定量波長の合う新規クライアントを惹きつけ続けるでしょう。

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