◆概況

全国に多くの企業が存在しているが、ここ数年で淘汰が激しいと思われる市場の一つである。工賃(レバレート)が決められているが、実際の労働時間や手間を考慮すると合わないことも多く、利益なき繁忙経営の方向に向かっている。板金塗装屋に今まで仕事を回してきたディーラーやモータースの取り分である費用(レス率)が、ディーラーやモータースの苦境から上がりやすい傾向になっていて、拒否できなかったり交渉できない経営を行っている企業は、さらに利益の少ない(減らされた)仕事を泣く泣く続けるか、回す仕事を切られ一気に仕事が無くなる可能性があることを受け入れざるを得ない状態にあることが多い。

◆対策

大きな意味での対策は3つ。

1,ディーラーやモータースに足下を見られて交渉されてさらに不利な契約に持ち込まれないようにするために、一般のお客様からの直需率を上げる。

2,業種を多角化する。板金のみの会社は車検や点検の整備を自社で行えるようにし、中古車や新車の販売を行う。中古車の買取を強化し、オークションの知識をつける。

3,逆に倒産や廃業をする板金塗装業者や整備業者の中小企業が増えており、ディーラーやモータースが仕事を出す先も減ってきている。以前ディーラーやモータースに足下を見られた企業は基本的にそこからの仕事を絶対やりたくないので、ディーラーやモータースは仕事を出す先が減って困り出す。それを取りにかかる。適正なレス率の交渉が必要。

◆展望

いずれにしても、板金屋や整備屋側である自社が発言力を持たないといけない。リスクだけを取らせて、費用は渋るディーラーやモータースに対しては啓蒙しないといけないし、話が通じないのであれば切らないと未来は無い。実際話の分かるディーラーやモータースもいるので、そのような企業は大事にしながら、徐々に直需率を上げていき、業務を多角化していくことが望ましい。

◆必要なもの

●接客の心得(接客サービス)
●ホームページのリニューアル
●エリアSEO
●グーグルマイビジネス(グーグルマップ)対策
●店前視認性の改善
●顧客管理と告知に関する年間スケジュール
●情報発信のためのSNS対策

◆利用可能な補助金

●事業再構築補助金
●ものづくり補助金
●IT補助金
●小規模事業者持続化補助金

◆総論

古くからあり元々IT化が遅れていた市場であるが、逆にそれが参入障壁にもなっている。元々お客様はこの市場の人たちにIT化を求めていない。しかし、修理を依頼していいのか、ちゃんとおこなってくれそうか?という点はお客様も事前に調べたい。そのようなお客様の判断する点の対策、つまりホームページやグーグルマイビジネス、店前視認性が連動してちゃんとアピールされておりエリアSEOが効いていれば、まだまだその地域の新規顧客は獲得できる。経営者に業態転換の意識が必要な市場であると考えます。

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