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オーストラリアから帰国したジアエンは、迎えに来た恋人のシウカイ、幼馴染のアイリー、シャオフェイたちと亡き母の形見が埋められた場所へ行く。そこで初めてジアエンは、幼いころに生き別れた富豪の父ジン・ダージェンの存在を知る。しかし4人は車で移動中に交通事故に遭い、シウカイは脳死状態、ジアエンもまた記憶喪失に陥ってしまう。闇金に多額の借金があるシャオフェイは、目覚めたジアエンに記憶がないと知り、アイリーとジアエンの身分を取り替えることを思いつく。

シャオティエンが牧場のスイーツショップの責任者となって間もなく、Mホテルグループの会長令嬢“ジアエン”になりすましたアイリーの誕生パーティーで、スイーツショーを披露する仕事が入る。シャオティエンは従業員のジアエンたちを厳しく指導し、見事ショーを成功に導くが、Mホテルの会長ダージェンの長年の友人ドゥアン・チャンフォンと険悪なムードに。なぜならドゥアンは、幼いころシャオティエンと彼の母を捨て、自分の夢に生きた父だった。一方、ドゥアンのもう一人の息子でMホテルの社長でもあるルオファンは、ジアエンが会場に置き忘れてしまった手書きのスケッチブックを拾い興味を持つ。

シャオティエンが牧場に来た最初の日、ジアエンを助けるために負った腕のけがが完治していないことを知ったジアエンは、彼の傷の手当てをする。やがて外は大雨と雷に。雷が苦手なジアエンは取り乱し、シャオティエンはそんな彼女を放っておけず、結局二人は店で夜を明かす。

蜂蜜を飲んだアイリーに幸い大事はなかったが、せっかくの機会を台無しにしたと責任を感じるジアエンは、牧場の新鮮な生クリームの顧客開拓をしようと考える。アイリーにも協力を頼もうとジアエンがMホテルに行くと、アイリーが外国人と意思の疎通が取れず困っている場に出くわし、思いがけずジアエンの英語力のおかげで場を収める。偶然その一部始終を見ていたMホテルの社長ルオファンは、外国暮らしが長いはずの“ジアエン”がなぜ英語が話せないのか疑問に感じるのだった。そんなルオファンは、スイーツショーの日に拾ったスケッチブックの持ち主探しに奔走していた。

アイリーは「ダージェンに本物の娘ジアエンを近づかせるな」というシャオフェイの忠告を聞き入れず、ダージェンとのキャンプにジアエンとシャオティエンを誘う。ダージェンは“ジアエン”が見せる優しい気遣いに感動する一方、胃が痛んだ時、とっさに“アイリー”が自分に施してくれたマッサージが、亡き妻と同じだったことを不思議に思う。

“アイリー”がスケッチブックの持ち主だとわかったルオファン。ジアエンに過去の記憶がないことを知り、彼女がインターネットで人気の挿絵画家アンである可能性が高いことを伝える。ジアエンに好意を寄せるルオファンは、やがてアンが描いた絵の場所だと思われる小学校を見つけ出す。そこからジアエンたちが育った孤児院が特定でき、ジアエンは孤児院の院長先生から当時彼女の物だったというブランケットなどを受け取ることができた。ルオファンとシャオティエンは反目するが、二人のおかげで少しずつ記憶の片鱗を取り戻していくジアエン。そしてジアエンはシャオティエンの不器用な優しさに気づき惹かれていく。

ある日、シャオティエンの部屋からバスタオルをまとって現れたセクシーな女性ジェリー。彼女もまた腕の良いパティシエで、シャオティエンをフランスへ連れ帰るために来たと言う。ジアエンは二人がただならぬ仲だと思い傷付く。

ジェリーがシャオティエンをフランスに連れ戻したい本当の理由は、二人が創業した店のピンチを救うためだった。ジェリーはシャオティエンに、ある幻の食材を使って一発逆転のスイーツで立て直しを図ろうと提案する。ジアエンと食材を探しに行き、新たなスイーツを創り出したシャオティエンは、父への対抗心を強く意識する。

ジアエンの元に返された、幼いころの持ち物だというぬいぐるみを押すと、子守歌が流れてきた。それを聞いたジアエンは心を揺さぶられ、その声の持ち主が自分にとって大切な人だと確信する。さらに母の写真も手に入れたジアエンは、母への思いを募らせていく。一方、シャオティエンは、家電量販店のテレビに映し出された街頭インタビューを見て、涙を流すジアエンを見る。怪訝に思ったシャオティエンがその映像の人物を調べてみると、1年前シャオティエンの命を救った心臓ドナーだと知る。そしてそのドナーこそが、ジアエンの元恋人シウカイだった……。

ジアエンの誕生日を祝うため、アイリーやシャオフェイ、ダージェンたちが牧場を訪れた。ダージェンは、ジアエンが亡き妻を思い出させることを不思議に思い、ジアエン自身にその思いを伝える。その時、ダージェンが彼女に見せた写真には、母と同じ女性が写っていた……! 後日、ジアエンはあらためてダージェンの元を訪れるが、彼がジアエンに向かって歩いてこようとしたその時、重量のある梱包物がダージェンへと崩れかけようとしていた。アイリーは、とっさにダージェンをかばって頭を強く打ち気絶してしまう。

自分を疎ましがるアイリーに焦ったシャオフェイは、アイリーにプロポーズする。ダージェンも二人を祝福したため、アイリーだけ気が進まないまま婚約することに。一方、ルオファンの母は、息子の意中の女性ジアエンに会ってみたいと牧場を訪れる。そこでシャオティエンの母・メイユーと鉢合わせし、ルオファンはシャオティエンが自分の異母兄弟だと知ってしまう。同時に、敬愛する父チャンフォンが、自分には教えようとしなかった秘伝のスイーツの味を、なぜシャオティエンが再現できるのかと、強いコンプレックスを抱く。

シャオティエンは、ルオファンの父と自分の関係をついにジアエンに明かす。実父との根深い確執を知ったジアエンはしかし、シャオティエンにいつもどおり温かく接する。そんな彼女の態度は、次第にシャオティエンの気持ちを癒やしていく。しかし、ジアエンへの気持ちを自覚したシャオティエンは、二人の距離を縮める前に、まずジアエンの元恋人に関する事実を告げることを選ぶ。シウカイと自分が恋人同士として映る映像を見て、記憶が戻らないなりに真実を感じ取ったジアエンは混乱する。そんなジアエンに、ルオファンが寄り添い元気づけるのだった。

それぞれ心の内に悩みを抱えるシャオティエンとアイリーは、お互い一人でお酒を飲んでいた居酒屋で偶然出会う。アイリーは酔いつぶれたシャオティエンを牧場まで送り届けるが、タクシーに二人が乗りこむところをシャオフェイに見られていた。一方、自分こそが本当のジアエンだと知った彼女は、まずシャオフェイを呼び出し問い詰める。シャオフェイは、アイリーからも不信感を露わにされ、さらにフェイフーからも究極の二択を迫られ精神的に追い詰められていた。シャオフェイに業を煮やしたフェイフーは、ジアエンが本来の身分に戻らないよう、強引な手段に打って出て……。

ジアエンとルオファンをかばい病院に運ばれるが、一命を取り留めたシャオティエン。けがを理由に、世話を焼いてくれるジアエンに甘えるうち二人の距離は急速に縮まっていく。またお互い意地を張り合っていたシャオティエンとルオファンにもだんだん兄弟の情が湧き始めていた。そんな中、ダージェンが財産の一部をアイリーに譲渡。一刻の猶予も残されていないシャオフェイはその財産をそのまま借金返済に充てようとするが、その行為がフェイフーとの関係をダージェンに知られる原因に。ダージェンやジアエンを裏切ることに良心の呵責を感じていたアイリーはある決意を固める。

シャオフェイが闇金に多額の借金があったと知ったダージェンは、フェイフーに「今後娘には一切かかわるな」と伝える。奇しくもフェイフーも行き別れた娘を探していたが、なかなか手がかりがつかめず苛立っていた。一方ジアエンは、シャオティエンの自分に対する深い愛を知り、ついに過去を思い出とし新しい未来へと一歩を踏み出す決心をする。またアイリーに対しても、自分から真実を話してくれるまで待つことにしようと決める。穏やかで幸せな日々が続くように見えたが、ある衝撃がジアエンを襲う……!

ついにお互いへの気持ちを伝え合ったシャオティエンとジアエンだが、その後、記憶が戻ったジアエンは気持ちの整理のため、一時牧場を離れ旅に出る。ある日、入院しているシャオティエンの元に、父チャンフォンが見舞いに来る。チャンフォンは過去の行為を詫び自分の思いをシャオティエンに伝えるが、シャオティエンはなかなか受け入れらない。一方、アイリーはいつもより帰りが遅いダージェンの身を案じ、落ち着かない気持ちを持て余していた。そこに帰宅したシャオフェイは、アイリーにとんでもないことを打ち明ける。

警察に包囲される中、追い詰められたシャオフェイは、アイリーへ一途な思いを訴えながら自ら命を絶つ。行き別れた娘がアイリーだと知ったフェイフーは、その事実を彼女に告げた後、警察に逮捕される。打ちひしがれたアイリーは、やっと身分の入れ替わりについてジアエンと正面から話し合い、さらにシャオフェイがダージェンを崖から突き落としたことを伝える。その後幸いダージェンは見つかり病院に運ばれるが、ジアエンが語りかけても意識は戻らない。己の罪を深く恥じたアイリーは、ダージェンに別れを告げ去ろうとするが……。

フェイフーから行き別れた実の娘だと聞かされたアイリーは、過去を調べそれが真実と知る。しかし一緒に暮らした1年の間に、アイリーが父と慕うのはダージェン、またダージェンの心にもアイリーに対して家族の情が育まれていた。無事意識を回復し、やっとジアエンこそが実の娘だと知ったダージェンは、アイリーと共に二人を娘と見なすことに。アイリーと仲直りしたジアエンは、Mホテルをそのままアイリーに任せ、自分は牧場に残りスイーツショップでパティシエを目指すことにする。一方シャオティエンは、ジアエンのために特別なプレゼントを用意していた。

牧場に残ることを選んだジアエンだが、父ダージェンの希望でホテルの仕事も少しずつ覚えるため、しばらく実家で暮らすことに。ジアエンへのプロポーズに失敗したシャオティエンは、思い悩んだあげくMホテルまでジアエンに会いに行く。そこで偶然父のチャンフォンに会ったシャオティエンは、ある幻のスイーツを完成できるかどうか賭けをしないかと持ち掛けられる。シャオティエンは父を負かすチャンスだととらえ、一カ月の期限で受けることに。そこにルオファンも現れ、自分も勝負に参加したいと申し出る。

突然牧場に現れたオーストラリア時代のジアエンの友人マルコ。“南半球のスイーツ王子”とも呼ばれる腕のいいパティシエのマルコは、かつてジアエンに想いを寄せていた。シウカイ亡き後、ジアエンを幸せにできるのは自分だと考え、シャオティエンにスイーツ対決を挑む。結果、僅差でシャオティエンに負け、あっさり敗北を認めたように見えたマルコだったが、実はMホテルに関する重要な事実を隠していた。そしてMホテルの社長であるルオファンに真の目的を告げ……。

Mホテルのスイーツ部門を高く評価しているマルコの目的は、Mホテルの買収だった。ジアエンの恋人としては認めたくないものの、パティシエとしてシャオティエンの才能を確信したマルコは、「オーストラリアに一緒に来れば買収から手を引く」とシャオティエンに選択を迫る。再びスイーツ対決で決着をつけることにした二人、果たして勝利はどちらの手に? そして対決後、さらに明かされたマルコの本音とは……。

保釈されたフェイフーはアイリーの元を訪れ、親子としての関係を築こうとするが、アイリーは受け入れられない。一方、チャンフォンのレシピノートを元に、幻のスイーツの解明に没頭するシャオティエンとルオファン。しかし、シャオティエンは再び心臓に問題を抱えていた。担当医のチャオチュンは一刻も早く治療することを勧めるが、チャンフォンとの賭けの期限が迫ったシャオティエンは耳を貸さない。ジアエンは、シャオティエンの心臓の負担を軽くするためにある計画を考える。

ジアエンに一泊旅行に誘われはしゃいでいたシャオティエンだが、実は自分の体を心配して計画されたことだと知る。「もう二度と大切な人を失いたくない」と言うジアエンに、シャオティエンは一生そばにいると誓う。そんな二人に牧場のスタッフから「今すぐ牧場に戻って」という緊急の連絡が入る。牧場には、フェイフーとその部下たちが待ち構えていた。一方、最初はフェイフーを冷たく突き放していたアイリーだが、不器用ながらもあの手この手で父の愛情を示そうとするフェイフーに心は揺れ始めていた。そしてついにあることを決意する。

Mホテルを辞め、フェイフーの会社を継いだアイリー。そんなアイリーをルオファンは応援し、アイリーもまた幻のスイーツ作りに没頭するルオファンを支えていた。家にも帰らずMホテルの厨房でスイーツ作りに明け暮れるルオファンの元に、突然チャンフォンが訪れる。今まで頑なにスイーツの作り方を教えてこなかったチャンフォンが、基本を伝授すると言う。ルオファンはやっと父に認められたと感じ喜ぶが、そんなある日、チャンフォンが心臓病で倒れ病院に運ばれる。

チャンフォンが、かつて腕のけがのためにレシピを完成させられなかったスイーツをめぐる勝負の日。牧場のみんなとチャンフォンが見守る中、シャオティエンとルオファンはそれぞれが考え抜いた渾身のスイーツを作り始める。しかし、あと少しというところでシャオティエンは心臓に異変をきたし、立っていられなくなってしまう。そんなシャオティエンを見て、迷わずサポートするルオファン。そして、ついに完成した二人のスイーツは果たして、チャンフォンを越えられるのか?

シャオティエンとチャンフォン、そしてルオファンとのわだかまりは解け、父と子、兄弟として新たな関係を育み始める。しかしシャオティエンの心臓は日に日に悪くなっていた。ある日、ルオファンはかつて勇気をもらったという、イラストにまつわるエピソードをアイリーに話す。アイリーはその話を聞き、ルオファンとの縁を感じるのだった。一方アイリーは、実父から引き継いだ会社をクリーンに立て直すため奮闘するが、かつてのライバル会社と摩擦が起こり……。

シャオティエンの心臓はますます拒絶反応がひどくなり、深刻な状況に陥っていた。そんな中、たびたびシウカイの夢や幻を見るようになるシャオティエン。「そんな体でジアエンを幸せにできるのか?」とシウカイに責められ、シャオティエンは苦しむ。一方、一緒に過ごす時間が増えたアイリーとルオファンの距離は、少しずつ近づいていく。亡き婚約者、シャオフェイを思い出し沈みこむアイリーに、ルオファンは優しく寄り添うのだった。そしてアイリーは過去と決別し、前を向こうと誓う。

自分の命が長くないと覚悟したシャオティエンは、意を決してジアエンに別れを告げる。自分のためだと知っているジアエンは別れないと言い張るが、シャオティエンの決意は固く、牧場からも追い出されてしまう。ルオファンは、かつて自分を励ましてくれたイラストにアイリーが深くかかわっていたと知り、感謝の気持ちを込めて特別な茶会を開くことに。それは長い間アイリーが夢見ていたことだった。その帰り道、フェイフーと因縁のあるチンピラたちが突然アイリーたちの前に現れる。二人は必死に彼らから逃げるが……。

頭を殴られたルオファンは、脳死の危機を乗り越え意識を取り戻す。ルオファンを失うかもしれない不安に怯えた時、シャオティエンはルオファンとの思い出があまりにも少ないことに気づく。そして、ジアエンともやりたいことがたくさんあったのだと改めて思い直し、やっとジアエンに正直な気持ちを伝える。これまでスイーツ以外のことをおざなりにしてきたと考えたシャオティエンは、「やりたいことリスト」を作りジアエンの協力の下、一つずつ実行していく。しかし心臓は刻一刻とカウントダウンを刻んでいた……。